スパイスの王様
シナモンとは、樹皮を乾燥させて作られる香り高いスパイスです。独特な甘くスパイシーな香りが特徴で、おいしいだけでなく、健康や美容への効果も注目されています。
シナモン作りに使われる樹木の種類は、主に「セイロンニッケイ」と「カシア(シナニッケイ)」。
繊細で甘味のある香りで人気があるのが「セイロンニッケイ」。セイロンニッケイは、インド、スリランカ、マレーシアなどで栽培されています。
「カシア(シナニッケイ)」は、香りと辛味が強く、濃厚さもあるのが特徴です。中国やベトナム、東南アジアなどで栽培されています。
体を温め血行促進し、冷え性や肩こり、月経痛などに効果が期待でき、血糖値の安定、脂肪燃焼のサポート(ダイエット)、抗酸化作用(アンチエイジング)、消化促進、免疫力向上など、健康・美容効果が豊富で、漢方やアロマでも活用されています。
主な効果
ダイエットのサポート
シナモンには、脂肪分解酵素のはたらきを活性化させる「アディポネクチン」の分泌を促進し、糖質の代謝促進や脂肪の燃焼を高める働きが見込めます。シナモンの独特の香りには食欲を抑制する作用もあり、小腹が空いた際にシナモンの香りを嗅ぐことで間食を控えやすくします。
「ビスファチン」は肥満や糖尿病に関与する「アディポサイトカイン」の一種で、シナモンによる濃度が低下すると肥満や糖尿病の改善・予防が期待できます。
血糖値の安定化(糖尿病の予防)
シナモンには血糖値の安定化(糖尿病の予防効果)も見込めます。食事に伴い血糖値が上昇するとインスリンの分泌量が増加し、血液中のブドウ糖が脂肪細胞に取り込まれます。血糖値の上昇が急激であればあるほどインスリンが過剰に分泌されるため、体脂肪が増加して糖尿病の発症などリスクが増加します。
肥満や内臓脂肪の増加はインスリン抵抗性を高めるため、さらに血糖値が上昇する悪循環に陥りがちです。シナモンにはインスリン抵抗性を改善し、血糖値を安定させるはたらきがあるため、糖尿病のリスクを下げる効果が見込めます。
毛細血管の修復
毛細血管の修復もシナモンに期待できる効果の1つです。加齢による毛細血管の壁細胞の減少や、毛細血管内部の栄養分・酸素の漏出は動脈硬化を進行させ、生活習慣病のリスクを高める一因です。
シナモンに含まれている成分の1つ「シンナムアルデヒド」は、Tie2(タイツー)と呼ばれる受容体型チロシンキナーゼを活性化させる作用があり、活性化すると、毛細血管にできた細かい傷が修復されるため、血液中の栄養分や酸素の漏出が妨げられます。毛細血管が滞りなく修復されると動脈硬化の進行を遅らせ、生活習慣病のリスクを下げる効果が見込めるでしょう。
抗酸化・抗炎症作用(抗がん・アンチエイジング・白髪予防)
シナモンには抗酸化・抗炎症作用(抗がん・アンチエイジング効果・白髪予防)などの効果も期待できます。植物の多くが有害な紫外線から身を守るため自ら高い抗酸化作用を有するポリフェノールを生成します。
シナモンに関しても例外ではなく、シナモンに含まれる「プロアントシアニジン」と呼ばれるポリフェノールの一種には、紫外線をはじめとする外的ストレスを防ぐはたらきがあります。紫外線による肌の老化や活性酸素の増加による白髪のリスクを下げる効果が期待できます。
ただ、シナモンの成分が人間に対する抗がん効果を発揮するかに関しては、期待はできるけれどもエビデンスが少し不足しています。
冷え性の緩和
シナモンに期待できる効果としては冷え性の緩和も挙げられます。シナモンはケイヒ(桂皮)とも呼ばれており、漢方治療に用いられる代表的な生薬の1つです。漢方においてシナモンには血液の流れを促進したり、身体を温めたりする作用が見込まれており、冷え性の改善に効果的です。
血液循環の促進や体温の上昇で筋肉の緊張が緩和すれば、日本人にとっての国民病とも言える肩こりや腰痛の改善にもつながります。血液が身体のすみずみにまで送られると内臓の機能が向上し、生理痛や胃腸の不調を改善する効果も期待できるでしょう。
発汗や解熱作用
シナモンには体を温めて血行を促進し、発汗を促す作用があります。この働きによって、風邪の初期症状や寒気を感じたときに体温を上げ、回復をサポートする効果が期待できます。発汗作用とともに体内の熱を調整する働きがあり、解熱にもつながるのが特徴です。
古くから生薬として利用されてきた歴史があり、漢方薬や民間療法でも風邪予防や改善の一助として重宝されてきたシナモン。日常的に取り入れることで、季節の変わり目や体調を崩しやすい時期の健康管理にも役立ちます。
シナモンの過剰摂取に注意
シナモンは肝臓に悪いといわれることがありますが、原因としてはシナモンに含まれる「クマリン」という物質の影響が考えられます。
「クマリン」は肝臓に有害とされ、多量摂取や長期摂取、または感受性の高い人では比較的少量でも、肝疾患につながる場合があるため注意が必要です。
通常の食事での摂取量では心配ないとされていますが、シナモンの効果を得るために過剰摂取したり、成分が濃縮されたサプリメントなどは気を付けましょう。摂りすぎると肝疾患だけでなく、胃腸障害やアレルギー反応などが起きることもあるため、自身の体に合わせて無理なく取り入れることが大切です。
