「セルフメディケーション」とは、WHO(世界保健機構)では「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な体の不調は自分で手当すること」と定義されています。実は今も昔も普通に、当たり前にやっていることなのです。
江戸幕府の初代将軍「徳川家康」の没後400年以上経ちますが、江戸時代の人々はセルフメディケーションの意識をとても高く持っていたと言います。そしてその筆頭が、自ら薬草を育て、薬を調合するなど「健康オタク」として知られていた徳川家康だったそうです。
19世紀前半、江戸幕府が編纂した徳川家の公式記録「徳川実記」には、家康の健康法が記録されています。
現代でも通用する徳川家康の「健康術」
粗食を常とする
徳川家康は「ぜいたくは月に2~3度で十分」と言い、麦飯と豆味噌中心の「一汁一菜」「一汁二菜」で食事をしていたそうです。この組み合わせは、疲労回復や脳の機能回復に効果的です。彼が「超倹約家」だったためという理由もありますが、現代の栄養学的見地から見ても健康的な食事と言えるでしょう。

冷たいものは口にしない
夏でも冷たいものはめったに口にせず、火を通したものを食べる習慣を身につけていたという徳川家康。衛生状態の悪い当時、有害な雑菌やウイルスを体内に取り込まないための知恵だったのでしょう。

旬のものを摂り、季節はずれのものは口にしない
ある年の冬、同盟を組んでいた「織田信長」からひと籠の桃が届けられた。この時期の桃は貴重な果実だが、すべて家臣に与えてしまったという。
自然に育てられた旬の食材は栄養成分も充実しており、その季節の健康を助けてくれます。その点でも家康の発想は理にかなっています。

肉もほどほどに食べる
70代で自ら鷹狩りに出かけていたという旺盛な体力は、肉が好みの食材だったのかもしれません。粗食を好む一方で、「キジ」「ツル」などの焼き鳥を楽しんでいたといいます。動物性タンパク質は血管を強くし、筋肉の衰えを予防する効果があります。高齢者が寝たきりになる2大原因は脳卒中と転倒による骨折。これら2つの予防のためにも、高齢でもある程度の動物性タンパク質を食べることをおすすめします。食べ過ぎはいけません。

体を動かす
年を取っても鷹狩りに臨んでいた徳川家康。さらには「剣術」「弓術」「水泳」「乗馬」などを好んで行っていたといいます。鷹狩りについては「その土地の状況を知るのはもちろん、骨や筋肉、手足が機敏になり、暑さ寒さを厭わないようになるので、病気にかからない。夜も1日の疲れでぐっすり眠れる」と、健康効果を実感していたようです。

香を聞く
香木をたいて、そこから立ち上る香りを嗅いだり、香の名をあてたりするのが「香道」。徳川家康も好んで香を聞き、香木を海外から取り寄せるほど熱心だったといいます。戦で精神をすり減らす戦国武将が、香で心を落ち着かせた様子は、現代の「アロマテラピー」に通じるものがあるのではないでしょうか。

薬について学ぶ
徳川家康は薬学を熱心に学び、自ら漢方薬を調合していたようです。久能山(静岡県)の麓に薬園を設け、100種類を超える薬草を栽培していたといいます。調合するのは無理にしても、自分が今服用している薬がどのようなものか、副作用はあるのか、などを調べる意識は持ちたいものです。

酒は「薬」として飲む
お酒については嗜好品というだけでなく、疲れを取る医薬として注目していた徳川家康。現在も販売されている「養命酒」が最初に作られたのは1602年。その翌年江戸幕府を開き「養命酒」を献上された徳川家康は、これを大層気に入ったと伝えられています。飲み過ぎには気をつけましょう。

現代でも十分通用する「徳川家康の教え」いかがですか。病気やケガをしたら回復するまで時間や治療費がかかります。「徳川家康の教え」はすべて予防になります。予防は治療より優先しましょう。
